091208_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
12月8日 |
091208_01 |
パナソニック セミコンダクター |
半導体集積回路 |
その他IC |
一般民生用 |
窒化ガリウムトランジスタ6個集積のインバータIC
パナソニック セミコンダクター社(川崎英夫社長)は、窒化ガリウム(GaN)トランジスタ6個をワンチップに集積したインバータICを世界で初めて開発した。
7―9日、米国ボルチモアで開催中のIEDM2009学会で7日発表した。インバータ化が進むエアコン、冷蔵庫など民生機器のモーター駆動やスイッチング電源、UPS、太陽光発電システムのパワーコンディショナなど幅広い応用展開ができるとみている。
今回、6インチの大口径シリコン(Si)ウエハー上にクラックフリー(ひび割れのない)で高品質なGaN結晶を成長させ、これまでのSiCやサファイア基板に比べ大幅な低コスト化も図れる。量産時期は未定。同社ではGaNパワートランジスタを11年度に量産予定している。
開発したワンチップインバータICは、Si基板上に形成した独自開発のノーマリオフ型の低損失GaNトランジスタ「ゲート インジェクション トランジスタ」素子を囲む形で鉄イオンを注入した素子分離領域を設け、GITを電気的に絶縁。GIT素子間耐圧900Vを実現し、ワンチップによるインバータ動作を可能にした。チップサイズ2.5×2.7ミリメートル。ドライエッチングで素子分離領域を設けていた従来のメサ型では素子間分離耐圧を300V程度にしかできず漏れ電流が生じていた。
P型AlGaN層を設けゲート電圧に印加していない時にソース・ドレイン間に電流が流れない、それぞれ独立したGIT(オン抵抗2.0ミリΩ平方センチメートル、オフ耐圧700V)のワンチップ化で配線の寄生インダクタンスを低減した。
高速スイッチングを可能にし、インバータ変換損失4.8%(20W出力時)と、インバータ駆動に用いられている従来の複数個のチップを搭載したシリコン系絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)に比べインバータ変換損失を42%低減でき、GaNの優位性を実証した。
Si基板上に窒化アルミ(AlN)/窒化ガリウムアルミ(AlGaN)バッファ層プラスAlN/GaN多層膜を形成することで、Si基板上結晶で課題だったGaN結晶のクラック発生をなくし、高品質のGaN結晶を6インチSiウエハー上に成長できた。
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