磁気センサー・インクリメンタルエンコード出力タイプのスイッチなど

　アルプス電気は、主力製品の一つスイッチ事業の拡大のため、下期から１０年に向け、従来からのメカ式機構を持つスイッチ製品群（スイッチ、タクトスイッチ、ロータリエンコーダ）の拡販に加え、非接触スイッチの磁気センサーや、タッチパネルへの展開を強化する。

　同社は、スイッチ部門では、ＨＭＩ（ヒューマン・メディア・インタラクティブ）を開発コンセプトに、コア技術である精密加工設計技術や生産技術、材料技術などを駆使した新製品開発に力を入れている。重点市場に（１）モバイル関連（２）自動車（３）ホーム市場―を掲げ、小型・薄型化、良好な操作フィーリングなどのニーズに応えた操作用スイッチや検出スイッチ、タクトスイッチ、ロータリエンコーダなどを広くラインアップ。携帯電話用コンタクトシートでも高い実績を持つ。

　加えて、非接触型スイッチとしてマグネットによりスイッチングを行う磁気センサーの展開を強化、磁気センサー・インクリメンタルエンコード出力タイプ「ＨＧＰシリーズ」を開発した。同シリーズは、優れたスイッチング精度を持つ小型２ｉｎ１センサーで、外形サイズ２.０×１.０×高さ０.５５ミリメートルの小型・薄型形状。シンプルな回路構成と高抵抗素子による低消費電流を実現。水平磁場検地特性で配置自由度向上によりセットデザインの最適化に寄与する。携帯電話やＤＳＣの回転操作、モーターや流量計の回転検地などに適用可能。

　さらに、コネクタ接続型の磁気センサー・スイッチング出力タイプ「ＨＧＤＦＰシリーズ」もバラエティに追加している。

　メカ式のスイッチでは、モバイル機器向けに、プロジェクション（突起）付きとして業界最小のタクトスイッチ「ＳＫＳＦシリーズ」を開発。超小型（２.８０×２.４０×高さ０.６５ミリメートル）ながら確実な操作感を実現した。

　メタルコンタクトを円柱状の突起を設けた薄いシートで覆うことで操作時の確かな感触を実現。突起を配置したことで、ノブの位置ずれによる操作感触悪化を防止。メタルコンタクトは動作寿命１０万回。

■微小電流に対応
　検出スイッチは、車載用検出スイッチとして、微小電流対応の「ＳＰＶＱシリーズ」などを製品化。車載用スイッチの微小電流対応ニーズに対応したもので、マイクロスイッチからの切り替えなどを促進する。寿命１００万回以上の長寿命タイプも用意しており、ワイヤーハーネス付きタイプなどにも対応している。

　ロータリエンコーダでは、中空軸デバイス４５型ＬＥＤ照光付き可変抵抗器「ＲＫ４５Ｃシリーズ」および３９型ＬＥＤ照光付き可変抵抗器「ＲＫ３９Ａシリーズ」や、１１型金属長寿命タイプエンコーダ「ＥＣ１１Ｊ」（面実装タイプ）などを揃えている。

　同社のスイッチ部門の受注動向は、０８年１２月をボトムに、回復基調にあり、携帯電話、ＤＳＣ、ノートＰＣ、車載などの主要各分野で受注が戻りつつある。