電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
10月7日091007_02 ローム 表示デバイス 液晶・プラズマ・CRT 一般産業用

 寿命同等で半径25ミリ曲げられる有機ELデバイス



 ロームは、半径25ミリ曲げられるフレキシブル有機ELデバイスを開発した。発光部の薄膜有機ELをプラスチック基板に厚さ0.05ミリの超薄板ガラスを張り付けた複合基板と無機膜のガスバリア層で挟み込む独自構造を採用することで、有機ELをガラス基板で挟み込む従来の有機ELデバイスと同等の製品寿命を確保しながら、曲げられる有機ELデバイスの開発に成功した。従来のガラス基板の有機ELデバイスの8分の1の軽さ、6分の1の薄さの有機EL照明を実現できる。デザインを重視したハイエンドの照明やディスプレイ分野などを狙い、14、15年の実用化を目指してロール・ツー・ロールプロセスの量産化技術などの開発を進める。

 開発したのは、曲げ半径25ミリメートル、重さ0.05グラム/平方センチメートル、厚さ0.3ミリのフレキシブル、軽量、薄型有機ELデバイス。ベースがプラスチック基板のため、落下に対する安全性や耐衝撃性にも優れる。駆動電圧は3―5V、消費電力は0.5―1W、発光輝度は1千―3千カンデラ/平方メートル、発光色は2800Kの電球色。

  これまでのガラス基板に替えてPET/PENプラスチック基板に日本電気硝子製の厚さ0.05ミリの超薄板ガラスを張り合わせた複合材を採用。その上に発光部の薄膜有機EL、100マイクロメートル厚のITO透明電極、アルミ電極を形成した。薄膜有機ELをプラスチック基板・超薄板ガラスの複合材と挟み込む形で薄膜有機ELを無機膜のガスバリア層で覆い、ガスバリア層上にPET/PEN保護フィルムを付けた。

  これらの新素子構造により、プラスチック基板を採用した従来有機ELデバイスが不十分なガスバリア性で酸素や水分の影響を受けて短寿命だった課題を、ガラス基板と封止用ガラス基板で挟み込んだ有機ELデバイス並みに延ばした。現在、測定中だが、発光輝度が半減する製品寿命をガラス基板の有機ELデバイス並みの1万時間にできる見通しがついた。

  また、巻き取り可能なフレキシブル基板の採用で、量産性の高い生産方式のロール・ツー・ロールプロセスの製造が可能となったことから、今後、ロール・ツー・ロールプロセスの量産技術の確立を急ぐ。また、封止技術の向上、デバイスの大面積化の開発にも取り組んでいく。



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