ノートPCのLEDバックライトパネル接続用同軸コネクタ

　タイコエレクトロニクスジャパン（川崎市、江部秀社長）は、ノートＰＣのＬＥＤバックライトパネル接続用の０.５ミリピッチ細線同軸コネクタ「ＬＣＥＤＩ（エルセディ）」（ＬＣＤコアキシャル・エンベデッド・ディスプレイ・インターフェイス）を９月から本格量産開始した。同コネクタは、第一精工グループのアイペックス（東京都町田市）からライセンス供与を受け開発したもので、ＶＥＳＡで「ノートＰＣ向けＬＥＤバックライトの国際標準コネクタ」に指定されたアイペックス製「ＣＡＢＬＩＮＥ―ＶＳ」と完全嵌合互換性を持つ。同社は今後、需要の急拡大が予想されるＬＥＤバックライト市場に向け、アイペックスとともに十分な供給サポートに努める。

　パソコンは、ＤＶＤ、ＢＤ（ブルーレイディスク）の普及、インターネットのストリーミング、圧縮技術の進歩により動画コンテンツがますます充実し、より高品質の画質が要求されている。特にノートＰＣではＬＥＤバックライトのテクノロジをいち早く導入し、高解像度、薄型、大型化のＬＣＤパネルが急速に普及している。

　このトレンドを受け、パネルの内部インターフェイスもより大量のデータを高速で処理する必要性があり、国際規格団体（ＶＥＳＡ）は既存のＬＶＤＳの伝送方式に代わりｅＤＰ（エンベデッド・ディスプレイポート）を次世代インターフェイスとして仕様化した。

　ｅＤＰは最大２.７ギガｂｐｓの伝送速度で、１０.８ギガｂｐｓまでのデータを４レーンでシリアル伝送し、同時にクロック信号をデータと一緒にそれぞれのレーンに埋め込む技術を採用しているため、ノイズ、ＥＭＩに強いという特徴を持つ。

　ＬＣＥＤＩは、パネルの薄型化から実装高さ１.１ミリメートルの低背化を実現し、既存のＬＶＤＳから最新のｅＤＰ高速伝送にも対応した細線同軸コネクタでアイペックスからのライセンス供与により開発された。ＶＥＳＡスタンダードとして指定されたアイペックスのＣＡＢＬＩＮＥ―ＶＳと完全嵌合互換性を保ち、急拡大するバックライトＬＥＤタイプのノートＰＣ／ネットＰＣ市場をサポートする。

　今回、量産開始したのはＬＣＥＤＩの４０極タイプ。次世代ニーズに対応する３０極タイプについても今月からサンプル出荷開始する。

　ＬＣＥＤＩは、今月６日開幕の「シーテックジャパン２００９」（幕張メッセ）のタイコエレクトロニクスグループブースで出品、紹介される。

　ノートＰＣのバックライト光源は、従来のＣＣＦＬ（冷陰極管）からＬＥＤへの切り替えが急速に進んでいる。調査会社ディスプレイサーチのレポートによると、グローバルでのノートＰＣ市場に占めるＬＥＤバックライト搭載比率は、０８年の１６％に対し、０９年は５２％へと急上昇し、１１年には１００％に近づくと予測されている。バックライトのＬＥＤ化が進む背景としては、ＣＣＦＬと比較し、低消費電力、水銀レスによる環境貢献、薄型化に有利であることや、生産性向上によりコスト面でもＣＣＦＬと遜色が無くなってきていることなどが挙げられる。