090707_03
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
7月7日 |
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ビクトレックス |
電子材料 |
電子材料 |
一般産業用 |
金属代替用途のポリケトン系超高耐熱樹脂「VICTREX ST」
英国の高機能性材料メーカー、ビクトレックス社は、新たなポリケトン系超高耐熱樹脂として「VICTREX ST(ビクトレックスエスティー:PEKEKK・ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン)」を発表した。日本市場では同社日本法人のビクトレックスジャパン(東京都港区、リチャード・オカップニャック社長)が同製品の販売を行う。マーク・マダン ビクトレックスポリマーソリューションズ・アジアパシフィックセールスマネージャーに同製品の今後の販売戦略などを聞いた。
――VICTREX STの位置付けは。
■新スーパーエンプラ
マダン マネージャー まず、ビクトレックスは今年2月に英国で組織変更を発表し、インビディオとビクトレックスポリマーソリューションの2事業部に分けた。これによって、企業としてどう利益をあげているのかが分かるようにした。
ビクトレックスポリマーソリューションの製品には、VICTREX PEEK樹脂、VICOTEコーティング、APTIVフィルムなどの高機能性材料があり、VICTREX STもこれに含まれる。
VICTREX STは、ハイエンド製品だが、従来のスタンダードの樹脂加工設備を活用して成形が行える新しいスーパーエンプラとなっている。
特性は、Tg点が高く、VICTREX PEEKやVICTREX PEEK―HTWより優れ、強度面でもVICTREX PEEKやVICTREX PEEK―HFより優れる。プロセスは、従来のVICTREX PEEK―HTにほぼ近い設備で成形加工できる。
――VICTREX STのターゲット市場は。
■サンプル対応可能
マダン マネージャー 一番のターゲットは金属代替用途、二番目は、高温度特性と機械特性などのコンビネーション用途、三番目は、VICTREX PEEKポリマーの特性を維持しながら高温度域での高機械特性が求められる用途を狙っていく。これにより、さらにハイレンジのアプリケーションに展開していく。
今回、ナチュラルグレード「STG45」と30%ガラス繊維強化グレード「ST45GL30」の2グレードを発表したが、ともにマスプロの体制が整い、すぐにサンプル対応できる。VICTREX STの開発にはこれまで3年以上を費やし、技術チェックはすべて完了している。
――アプリケーション別のターゲット市場は。
マダン マネージャー 一つはオイル&ガス分野。例えば、掘削機のドリルヘッドやドリルの嵌合部、センサー関連パーツなど高強度と高耐熱が必要な用途。二番目は半導体関係。HDDのトレイは今は金属製だが、樹脂への置き換え提案などを行う。ICテストソケットもSTを評価する価値はあると思う。
――日本での期待分野は。
■航空機関係にも
マダン マネージャー 今後、顧客に製品を紹介しながら、どんなビジネスチャンスがあるかを見つけていきたい。具体的には、車のエンジンまわりや、航空機関係などもある。日本はハイエンド樹脂が大量に使用される市場で、そうした樹脂が世界中で使用されている。VICTREX STもチャンスがあると思う。
――今後の市場見通しは。
マダン マネージャー 今は景気が厳しいが、長い目で見れば、設計者は生産性向上や付加価値の高いコンポーネントを期待している。VICTREX STはハイエンド樹脂として十分可能性があると考えている。 |