モバイルのDC-DCコンバータ向けチップチョークコイル「ELL3FU」

　パナソニック　エレクトロニックデバイスは、モバイル機器のＤＣ―ＤＣコンバータ向けに業界トップレベルの１３０ｍΩ直流抵抗（ＤＣＲ）を実現した巻線タイプのチップチョークコイル「ＥＬＬ３ＦＵシリーズ」を開発し、今月から量産を開始した。

　 携帯電話、ＤＳＣ、ＨＤＤなどのＤＣ―ＤＣコンバータ回路向けに月産能力３００万個でスタート。サンプル価格５０円/個。

　 最適な銅線、コア材選定と独自の巻線工法を採用し、平角線を用いたアルファ巻線を施す独自構造により、巻線の線積率を８４％と従来の約２０％向上。従来品と同サイズ、同インダクタンス比較でＤＣＲも約１５―２０％低減した。

　 線積率の向上でフェライトコアで構成される磁気回路において、中足断面を大きくとれ、直流重畳特性も０.９５Ａと約２５％改善、チョークコイル特性のエネルギー指数を約２倍の１００％に向上した。外形寸法３.２×３.２×１.２ミリと小型、薄型化した。

　 磁気回路は、巻線の周囲に磁性材入り接着剤を塗布した従来の閉磁路で構成。漏れ磁束水平方向１.０ｍＴを達成。磁気シールド効果により隣接部品との磁気結合の影響なしに部品の配置を設定することができ、設計の自由度、機器の小型化が図れる。

　 インダクタンス１.０―１０μＨ、公差プラス　マイナス３０％、直流抵抗５０―２９０ｍΩ、飽和電流１.７０―０.６０Ａ、定格電流１.７０―０.７１Ａ。