ポータブル映像機器用フォーマットアップスケーラIC「BU1521GVW」

　ロームは、ＤＳＣ、ＤＶＣ、ポータブルＤＶＤなどのポータブル映像機器用に、４対３のＳＤＴＶフォーマットの映像信号を１６対９最大１０８０プログレッシブＨＤＴＶフォーマットにアップスケールするスケーラＩＣ「ＢＵ１５２１ＧＶＷ」を開発した。

　 既存のＳＤシステムのＨＤＭＩトランスミッタ前段に挿入するだけで、ＨＤサイズの映像を出力できる。新規参入ＩＣとして、２月からサンプル出荷を開始した。４月には、月産１０万個で量産に入る。

　 アップスケーラＩＣ「ＢＵ１５２１ＧＶＷ」は、水平方向７２０スルーまたは１９２０ピクセルへ拡大、垂直方向４８０/５６７/５４０または１０８０ピクセルへ拡大するアップスケール機能を持つ。

　 ０.１３マイクロメートルＣＭＯＳプロセスを採用。０.６５ミリボールピッチの６３ＢＧＡの６×６×０.９ミリ業界最小クラスパッケージで供給する。フレームメモリー使用のＴＶ用アップスケーラＩＣパッケージに比べ、実装面積で約８１％削減、ピン数も約３０％程度減らした。

　 ５０キロバイトのラインメモリーを内蔵。映像信号を予測する独自開発の演算アルゴリズムを用い、フレームメモリーなしの高画質を実現した。フレームメモリーを省略して簡易的に重ね合わせ型ＩＰ（インターレース/プログレッシブ）変換処理したときに、画像の輪郭にギザギザが生じるジャギー現象や、動きの激しい動画表示の際に櫛状に線が入る櫛型ノイズを気にならないレベルにまで抑えた。

　 ５×５フィルター機能、３線式シリアルインターフェイスによるレジスタリードライトのレジスタアクセス機能、入力周波数２７メガヘルツＰＬＬを内蔵している。

　 ＮＴＳＣ/ＰＡＬ両入力フォーマットに対応。出力フォーマットは、最大１９２０×１０８０プログレッシブまで対応できる。出力周波数２７/７４/７４.１７５８２/１４８.５/１４８.３５１６４８メガヘルツ。

　 生産は前工程をローム本社（京都市）で、後工程をローム　エレクトロニクス　フィリピンズで行う。