081217_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
12月17日 |
081217_01 |
パナソニックセミコンダクター社 |
半導体素子 |
ディスクリート |
一般民生用 |
940Vの超高耐圧、52ミリΩ平方cmの低オン抵抗窒化ガリウムダイオード(GaN)開発
パナソニック セミコンダクター社は16日、新規半導体接合構造により9400Vの超高耐圧、52ミリΩ平方センチメートルの低オン抵抗を実現した低損失の窒化ガリウム(GaN)ダイオードの開発に成功した、と発表した。
独自開発のナチュラルスーパージャンクションによる多数チャンネル構造、アノード、カソードの両電極を多数チャンネル側壁からとる凹形リセス構造を採用することで、トレードオフ関係にある高耐圧、低オン抵抗を両立した窒化ガリウム(GaN)ダイオードの開発に成功した。
今回の開発成果を17日まで米国サンフランシスコで開催されているIEDM2008で、初日の15日に発表した。
デバイスの耐圧を維持しながらオン抵抗を低減できるため、動作電圧が数百Vの家電用インバータなどの民生用電力機器から鉄道車両など数千Vの産業用電力機器まで幅広い電力分野で応用できるとみている。2、3年後の商品化を目指し、開発を進める。
同社は、不純物添加なしのGaN単層の表裏面に自然に現れる正負の電荷(分極電荷)が高耐圧と低抵抗を両立できる半導体接合スーパージャンクションを形成することに着目。GaN、アルミ窒化ガリウム(AlGaN)を交互に積み重ねると、オン状態ではチャンネル数を増やすとオン抵抗が低減する。
オフ状態では各層で分極電荷の正負がキャンセルされ電荷がゼロになり、GaN系半導体材料が絶縁体のように振る舞い、電極間距離を伸長することで耐圧を自由に制御できるスーパージャンクションと同様の効果がある「ナチュラルスーパージャンクション」を発見した。
開発したGaNダイオードでは層厚数十ナノメートルのGaN、AlGaNを交互に6層形成したチャンネル側壁からアノード、カソードの両電極を直接とる独自のリセス構造にした。
リセス構造によりオン電圧を0.3―0.4V低減できた。
電極間距離125マイクロメートル、チップサイズ600マイクロメートル角のGaNダイオードで9400Vの超高耐圧、52ミリΩ平方センチメートルの低オン抵抗を実現した。
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