080818_02
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
8月18日 |
080818_02 |
大阪大学 |
電子材料 |
電子材料 |
一般産業用 |
パラジウムとDNAによるハイブリッドナノ構造体を用いた水素ガスセンサー
大阪大学接合化学研究所の大原智准教授は、パラジウムとDNAによるハイブリッドナノ構造体を用いた水素ガスセンサーを開発した。
水素エネルギー社会の実現に向け、水素の製造技術、貯蔵・輸送技術、利用技術と並んで安全性を確保するための水素検知技術が必要不可欠となる。水素は爆発の危険性が高く、人間の五感では検知できない。しかし、水素の漏れを室温で高感度、高速で検知できる小型の水素ガスセンサーは実用化されていない。
新センサーは、検知に1秒以内と高速で濃度500ppm以上の検知を実現している。これにより家庭用燃料電池、燃料電池自動車、燃料電池パソコンの実用化および普及に欠かせない水素ガスの検知が、室温で高速、高感度でできるようになる。
DNAは、表面に金属イオンを濃縮する性質があり、この性質を利用することで、金、白金、銅、コバルトなどの金属ナノワイヤーを作製できる。
作製したパラジウム―DNAハイブリッドナノ構造体は、水素ガスに対して良好な応答速度と感度および安定性を保つことを確認した。水素を吸蔵することで体積膨張依存型の電気応答性を持つこと、水素以外のガスは検知に影響しないことなどから、従来型に比べ、より高感度で優れたガス選択性を有する水素センサーを実現した。
現在、実用化に向けてパッケージ・素子化を進めており、その後、実証実験を行う。また、数万円以下での販売という低コスト化を実現する必要があることから、コスト分析に取り組む予定。
性能としては、今後100ppmの検知感度と実用レベルでの耐久性の実現を目指すことにしている。
この開発は、NEDO技術開発機構の産業技術研究助成事業(予算規模約50億円)の一環として行われた。
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