処理速度2.4テラFLOPSの業界最高速のグラフィックスカード2品種

　米ＡＭＤは１２日、カード１枚でリアルなシーンを再現する処理速度２.４テラＦＬＯＰＳという業界最高速のグラフィックスカード２品種を開発したと発表した。マイクロプロセッサでインテルに後れを取り、グラフィックスプロセッサ（ＧＰＵ）でエヌビディアと競っているＡＭＤが巻き返しを図ることになる。

　今回の新製品は、０６年に買収したカナダのＡＴＩテクノロジーズの技術をベースにしており、製造は５５ナノメートルのプロセス技術を採用している。

　 ２品種は「ＲａｄｅｏｎＨＤ４８７０Ｘ２」と「同ＨＤ４８５０Ｘ２」。これらカードは２個のＧＰＵを搭載、ハイエンドの４８７０９Ｘ２は単価５４９ドルで出荷開始、４８５０Ｘ２は３９９ドルで９月出荷の予定。同社では、超リアルな効果を映し出すハイエンドのゲーム機用に適している、と強調している。

　 ＡＴＩテクノロジーズとエヌビディアは、コンピュータゲームの３次元画像には欠かせないＧＰＵでかつてライバル関係にあった。ＡＭＤによるＡＴＩ買収後はインテルがエヌビディアを傘下に収めるとの報道もあった。

◆ＦＬＯＰＳ　コンピュータの処理速度を表す単位の一つ。テラは１兆、ＦＬＯＰＳ（Ｆｌｏａｔｉｎｇ　Ｐｏｉｎｔ　Ｎｕｍｂｅｒ　Ｏｐｅｒａｔｉｏｎｓ　ｐｅｒ　Ｓｅｃｏｎｄ）は１秒間に１回の計算ができる処理速度のことで、２.４テラＦＬＯＰＳは１秒間に２兆４千億回の浮動小数点演算を実行できることを意味する。