電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
7月29日080729_02 雑賀技術研究所 ユニット センサーモジュール 一般産業用

0.01ミリの動きを検知したり200mまでの距離を高精度に測定可能な24ギガヘルツ帯定在波レーダー



 財団法人雑賀(さいか)技術研究所(和歌山市黒田75―2、福田敏隆理事長)は、世界初の0.01ミリのわずかな動きを検知することや、0メートルから200メートルまでの距離を高精度に測定できる24ギガヘルツ帯定在波レーダーを開発した。複数ターゲットの動体検知も可能だ。小型、低コストのため、人感検知や安全システム、工業製品など様々な機器に組み込むことができる。8月初旬から、評価キット(レーダーモジュールとパソコン用サンプルソフトウエアのセット、価格9万円)の供給と技術サポートを開始する。同レーダーを採用した応用製品の量産には、ライセンス契約で対応する。

 開発した定在波レーダーは、GUNN発信器またはMMICで発信させた24ギガヘルツマイクロ波が測定ターゲットに到達するまでの電波(送信波)と、測定ターゲットから反射される電波(反射波)の合成波である定在波の周波数解析によって、ターゲットまでの距離の測定やターゲットの相対速度、相対変位を検知できる。

  従来の定在波レーダーは、共振現象を利用してターゲットまでの距離測定を行っていたため、複数の反射波があると距離を測定できなかった。

  これに対し、今回開発した定在波レーダーは24.1ギガヘルツプラスマイナス37.5メガヘルツで1マイクロ秒ごとに周波数変調をかけ、周波数上の周期で距離を測定するため、複数の反射波があってもターゲットまでの距離を高精度に測定できる。

  測定精度は反射波強度が十分大きく、ターゲットが1個の場合、200メートル内でプラスマイナス5センチメートル。定在波の信号強度を検出するパワーディテクタにショットキーバリアダイオードを2個使用することで、マイナス側の距離スペクトルをキャンセルでき、従来のレーダーで測定できなかった0メートルの至近距離測定を可能にした。送信波と反射波の往復時間から割り出す従来のレーダーでは、最短測定距離は1―2メートルが限界だった。

  評価キットのレーダーモジュール(信号処理基板プラス発信器プラスアンテナ)は、基板サイズ100×75ミリ(4層基板に片面実装)の組込み型。狭指向性のホーンアンテナ採用の遠距離測定に適したホーンアンテナタイプと、広指向性のパッチアンテナを用いた近距離測定に適したパッチアンテナタイプの2種類を用意した。

  仕様は、出力電力10mW、距離測定範囲0―200メートル、距離測定分解能1センチメートル、速度測定範囲プラスマイナス300キロメートル/時、速度測定分解能力1キロメートル、相対変位測定分解能0.01ミリ、測定周期25ミリ秒。

  測定・検知データはUSB、RS232Cで外部出力できる。パソコン用サンプルソフトウエアは、距離スペクトルと時間距離スペクトルのグラフ表示と保存機能を持つ。


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