080718_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
7月18日 |
080718_01 |
田淵電機 |
受動部品 |
インダクタ・トランス |
一般産業用 |
東京電力の協力で業務用IH調理器向け業界で初めてのアルミニウム線を採用したIH過熱用コイル
田淵電機は17日、東京電力の協力を得て業務用IH調理器向けに業界で初めてアルミニウム線を採用したIH加熱用コイルの開発に成功したと発表した。
これまでIH加熱用アルミコイルの実用化で、ネックになっていた複数のアルミニウム線をよじったアルミニウムリッツ線の端末処理を、ハンダ接合とヒュージングの利点を併せ持つ独自のアルミヒュージング工法を用い、実用レベルに上げた。
阪部茂一田淵電機専務技術開発統括は「IH加熱用コイル材をこれまでの銅リッツ線からアルミニウムリッツ線に替えることでコイル価格を約2割下げられる。IH加熱用銅コイルと同等の加熱性能、電気的特性を持ちながら大幅な軽量化、低コストが可能なことから業務用調理 器市場のオール電化の普及に加速をかけられるだろう」と言う。
9月に業務用IH調理器メーカー向けに5kWのIH調理器の加熱用アルミコイルのサンプル出荷を開始する。09年度から量産に入る。将来は家庭用IH調理器向けにも供給する考えである。
アルミ線は月400トンのアルミ線を生産している中国・烟台工場で、アルミ線をねじりアルミニウムリッツ線にしてアルミコイルに仕上げるのはタイ工場でそれぞれ行う。
5kW対応のIH加熱用アルミコイルは線径0.29ミリのアルミ線を175本より線にした。コイルの外径が290ミリと銅コイルより15ミリ大きいがコイル厚み6.5ミリ、コイル内径40ミリ、インダクタンス81μH20キロヘルツは同じ。コイル重量は約半分の0.41キログラム、交流抵抗も56ミリΩと14ミリΩ低い。
田淵電機は銅の高騰や軽量化などのためにコイル線材を銅からアルミに替え電子レンジ用高圧トランスやインバータエアコン用リアクトルを商品化。ともにアルミ線化率は80%を超えている。ほかのトランスでもアルミ線化を図る一方、小型モーター用などにアルミ線の外販も始めている。
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