ブルーレイディスク（BD)プレヤーの機能を世界で初めて1チップに完全統合化したシステムLSI「EMMA3PF」

　ＮＥＣエレクトロニクスは１５日、ブルーレイディスク（ＢＤ）プレヤーの機能を世界で初めて１チップに完全統合化したシステムＬＳＩ「ＥＭＭＡ３ＰＦ」を開発、９月からサンプル出荷を開始すると発表した。

　サンプル価格は１万５千円。０８年度第４四半期（０９年１―３月）から、山形工場の９０ナノメートルプロセス・３００ミリメートルウエハーラインで月産１００万個の量産開始を予定している。

　同社は、この新製品を含めＢＤ市場におけるシステムＬＳＩの世界シェアを０８年度の４０％、売上高２００億円から、１０年度には５０％超の４００億円を計画する（シェアは同社推定）。

　ＥＭＭＡ３ＰＦは、ＢＤドライブ読み込み（アナログ・フロントエンド）からＨＤＭＩ出力までを統合化。従来システムからメモリーの統合および周辺機能を内蔵し、ソフトも１００％継承している。

　統合化により実装面積を半分に削減、システムの低価格化を実現する。最新のＢＤ規格「ｐｒｏｆｉｌｅ２・０」にも完全準拠し、ＢＤ―Ｌｉｖｅ２画面同時再生が可能だ。

　デュアルＣＰＵで１１５０ＭＩＰＳを達成し、高度なアプリケーションに対応できる。ＢＤリファレンス・ソリューションも提供し、ＢＤプレヤーの開発期間の短縮に貢献する。

　ＥＭＭＡシリーズは、デジタルＡＶ機器向けのＳＴＢ、デジタルＴＶ、ＤＶＤレコーダの分野に展開。

　一方、光ディスク駆動装置用システムＬＳＩとして「ＳＣＯＭＢＯ」を０１年に市場投入、０８年５月までの累計採用実績は１億５千万個に達している。

　「ＢＤ向けでも他社に先駆け、セット側からみても究極の１チップ化を実現できた。今後は、さらにセットの低価格要求にどう対応できるかが、半導体メーカーとして要点となろう」（新津茂夫・第二ＳＯＣ事業本部副事業本部長）。