080707_02
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
7月7日 |
080707_02 |
理化学研究所/松下電工 |
半導体素子 |
光半導体 |
一般産業用 |
殺菌効果が高い波長280ナノメートルの紫外光を世界最高出力10mWで発光する発光ダイオード
理化学研究所と松下電工は4日、殺菌効果が高い波長280ナノメートル(ナノメートルは10億分の1メートル)の紫外光を、世界最高出力10mWで発光する発光ダイオード(LED)の開発に成功したと発表した。
波長200ナノ―350ナノメートルの深紫外光を高効率に発光するLEDや半導体レーザーダイオード(LD)は、殺菌・浄水、医療分野、高演色照明、公害物質の高速分解処理、バイオ工学、化学工業、各種の情報センシングなど幅広い分野での応用が期待されている。
特にバクテリアなどを直接殺菌する効果が最も高い波長260ナノ―280ナノメートルの紫外光は、医療器具の滅菌用途に活用でき、半導体の紫外光源が実現すればサイズが数ミリメートルと小型・軽量化でき、携帯可能な殺菌灯などへと用途が広がる。
深紫外領域で発光する窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系半導体は、深紫外LEDやLDを実現する材料として注目されている。しかし、この材料は結晶欠陥(転移)が多いことやp型半導体のホール濃度が低く電気抵抗が大きいことから、十分な発光効率を得ることができず、高出力の深紫外LEDは実現していなかった。
両社の研究グループは、AlGaNにインジウム(In)を数%添加、p型半導体のホール濃度を向上させることで波長280ナノメートル帯の深紫外で、非常に高い内部量子効率(推定80%)で発光する窒化物半導体混晶(InAlGaN=窒化インジウムアルミニウムガリウム4元混晶)を作製し、単独素子で世界最高出力10.6mWの室温連続動作に成功した。
この成果は、6―9日に伊豆の修善寺で開催の第2回窒化物半導体結晶成長国際シンポジウム(ISGN―2)で発表される。 |