080619_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
6月19日 |
080619_01 |
松下電器 |
半導体集積回路 |
その他IC |
通信インフラ用 |
26ギガヘルツ帯の準ミリ波帯で世界最高の信号増幅率22デシベルを達成した準ミリ波帯無線通信受信用GaN3段増幅器
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松下電器は18日、26ギガヘルツ帯の準ミリ波帯で世界最高の信号増幅率22デシベルを達成した準ミリ波帯無線通信システムの受信用窒化ガリウム(GaN)3段増幅器を開発した、と発表した。
未利用電波資源で、大容量高速長距離通信が可能なミリ波/準ミリ波帯の長距離伝搬中に大気の水分や酸素で高周波無線信号が吸収され減衰してしまう課題を解決。高周波無線信号を高利得、低雑音で高感度に受信できる。25ギガ−40ギガヘルツの準ミリ波からミリ波帯を使用する広帯域無線アクセス通信システムの受信ICの実用化にメドをつけた。
開発したGaN3段増幅器は、従来の炭化シリコン(SiC)より安く、絶縁性に優れたサファイア基板に400ナノメートルの大出力パルスレーザーで表面φ70マイクロメートル、深さ250マイクロメートルの円錐孔を形成。下面基板を切断し、円錐孔を貫通孔に仕上げ、上面を金メッキ、下面を蒸着またはスパッタで金メッキして電極孔として用いた。開発した増幅器では1チップに24個の電極貫通孔を設けた。
また、サファイア基板の表面に信号伝送線、裏面に接地導体を形成。接地導体を表面側と貫通孔で接続するマイクロストリップ線路型(立体型配線)を採用。窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)上に連続成膜で欠陥の少ない結晶状窒化シリコン(SiN)を形成し、MISトランジスタのゲート絶縁膜に用いたことで、1チップに3段の高利得、低雑音GaN増幅器を集積できた。
これらにより、SiC基板表面に信号伝送線と接地導体を形成するコプレーナ線路構造の同社従来開発品で13デシベルだった信号増幅率を22デシベルに向上。トランジスタの雑音指数も同社従来開発品で2.6デシベルだったのを1.4デシベルに低減。最大発振周波数を140ギガヘルツから203ギガヘルツに引き上げた。
総務省からの委託研究「電波資源拡大のための研究開発」成果の一環。米国・アトランタで開催中の「2008インターナショナル・マイクロウェーブ・シンポジウム」(IEEE主催)で現地18日、今回の開発成果を発表した。委託期間の09年までに開発中のミリ波/準ミリ波帯無線アクセス通信システムの送信用GaN増幅器の実用化にメドをつける開発成果を出したいとしている。
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