CISCマイコン「H8SX」ファミリーにアナログ周辺機能を付加し幅広いニーズに対応する4グループ10品種の32ビットマイコン

　ルネサス　テクノロジ（伊藤達会長＆ＣＥＯ）は、マイコンにおけるアナログ対応機能の性能向上ニーズに対応し、３２ビットＣＩＳＣマイコン製品群を強化する。９日には「Ｈ８ＳＸ」ファミリーにアナログ周辺機能を付加した４グループ１０品種の新製品を発表した。９月から順次、サンプル出荷に入り、０９年１月に月産５万個体制で量産を開始し、１年後の１０年１月には３倍の同１５万個に引き上げる計画となっている。

　ラインアップを強化したＣＩＳＣ（コンプレックス・インストラクション・セット・コンピュータ）マイコンＨ８ＳＸファミリーの新製品は、同社従来品に対し約２.７倍に高速化したＡ／Ｄ変換器と高度化したＤ／Ａ変換器を搭載し、機器アナログ信号処理性能の向上を実現する。

　最大動作周波数５０メガヘルツで最大５１２キロバイトの１サイクルアクセスが可能なフラッシュメモリーを搭載している。

　また、従来品同様、１６ビットタイマーパルスユニットと連動してパルス出力動作が可能なプログラマブル・パルスジェネレータや、多チャンネルのシリアルコミュニケーションインターフェイス（ＳＣＩ）、２ＩＣ、バスインターフェイスなど豊富な周辺機能も搭載している。

　「Ｈ８ＳＸ／１６４５」「Ｈ８ＳＸ／１６３５」「Ｈ８ＳＸ／１６６５」「Ｈ８ＳＸ／１６５５」の４グループで構成。従来品の後継製品としてピン機能互換性を維持している。これにより、Ｈ８ＳＸファミリーはＰＣ・ＯＡ機器、デジタル民生機器、産業機器など、幅広い用途分野における多種多様なニーズに対応する。

　新規に９ミリメートル角の面実装小型パッケージＬＧＡ（ランド・グリッド・アレイ）も用意し、１４４ピンＬＱＦＰに比べ実装面積を２０％縮小でき、小型携帯機器に適している。

　同社は、０９年度以降は、既存ＣＩＳＣ・ＣＰＵとの互換性を持つ新ＣＰＵ「ＲＸ」ファミリーによる製品展開も予定している。