ポリオレフィン材を被覆材に採用し環境に優しく軽量で柔らかい塩ビフリーの「ソフト　エコ電源コード」

　トキワ電気（大阪市城東区関目６―１０―５、口野孝社長）は、環境に優しく、軽量で柔らかい塩ビフリーの「ソフト　エコ電源コード」の販売を４月から開始した。米国の材料メーカーと共同開発した新開発のポリオレフィン（ＰＯ）材を、電源コードの被覆材に採用。ポリエチレン（ＰＥ）材を被覆材に用いた従来の塩ビレスのエコ電源コードの硬い、傷が付きやすいなどの課題を解決した。比重も塩ビやＰＥ材より軽く、電源コードを軽量化できる。新開発のＰＯ材は、電線用や成型用の樹脂材としても販売する。

　ソフト　エコ電源コードは、リユース可能なプラスチックダンボール「プラダン」や、ＨＤＭＩケーブルなど付加価値のあるトキワ電気発／初の商品開発の一環。米国材料メーカーと２年がかりで新しいＰＯ材を共同開発した。

　トキワ電気で電線の絶縁樹脂材に採用し、塩素ガスが発生しない塩ビレスのソフト　エコ電源コードに仕上げた。ＰＯ材は、０７年にＰＳＥ（電気用品安全法）で電源コードへの使用が認められている。

　ソフト　エコ電源コードは、トキワ電気から電源コードの生産を受託している中国・深■川のロングウェルで生産し、トキワ電気が販売する。ＰＯ材は米国材料メーカーで生産し、販売はトキワ電気が行う。

　大手家電メーカーが４月に発売した薄型テレビの電源コードに採用されたのを皮切りに、ＡＶ機器、白モノ家電などの家電製品やノートＰＣ、ＤＳＣ、ＤＶＣなどの携帯機器、ＯＡ機器など環境に優しい機器向け電源コードとして供給していく。

　また、新開発のＰＯ材は芯線の絶縁用、キャブタイヤの被覆材、平行線の被覆材といった電線用のほか、プラグやコネクタなどの成型用樹脂材としても供給する。

　従来のエコ電源コードのＰＥ樹脂材は新規設備が必要な上、塩ビ樹脂材に比べ成型押し出しスピードが遅く、コストアップ要因になっていた。

　これに対し新ＰＯ材は、塩ビの既存設備をそのまま使用でき、塩ビとほぼ同等の成型押し出しスピードを実現、生産効率を高めた。塩ビ以上の絶縁性を持ち、塩ビより薄い被覆厚みで塩ビと同等の電気特性が得られ、細線化も容易だ。

　価格はソフト　エコ電源コードが従来の塩ビ電源コードの約２倍、同社ＰＥ材のエコ電源コードと同価格にした。新ＰＯ材は最低販売単位１００キログラム。

※■はつちへん