080324_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
3月24日 |
080324_01 |
物質・材料研究機構(NIMS) |
半導体素子 |
光半導体 |
一般民生用 |
緑色と赤色蛍光体の発色を改良することで赤緑青の3原色から構成されるLEDで3原色以外の色成分が少なく液晶ディスプレイのバックライト用に最適な白色LED
物質・材料研究機構(NIMS)は、液晶ディスプレイのバックライト用途に適した白色LED(発光ダイオード)の試作に成功した。
これは、NIMSが数年前に開発した緑色と赤色蛍光体の発色を改良することで、赤、緑、青の光の三原色から構成されるLEDの提供を可能にした。このLEDは、三原色以外の色成分が少ないため、色フィルターと組み合わせると、液晶ディスプレイの再現色域を拡大することができる。
液晶ディスプレイは、バックライトが放つ白色光を液晶と色フィルターで三原色に分解して画像を表示する。現在のバックライトは冷陰極蛍光ランプ(CCFL)が使われている。
このCCFLには水銀が含まれていることから、環境面から水銀フリーの光源が求められており、将来は小型軽量、低消費電力で、水銀を使用しないLEDへの移行が進められている。
しかし、現行の白色LEDは青色に黄色を混ぜて発光しているため、緑色と赤色の成分が欠如した不自然な白色になっている。
そのため、三原色が必要な液晶バックライト光源などには向かず、バックライト専用のLEDが望まれていた。
開発した白色LEDは、青色LEDチップと樹脂に混合した窒化物結晶にユウロピウムを固溶させた赤色蛍光体、βサイアロン緑色蛍光体で構成されている。
シミュレーションでは、ディスプレイの色再現性の指標であるNTSC比が91%となり、液晶ディスプレイの再現色域を広くできる液晶バックライト用白色LEDの試作に成功した。
この研究成果は、27日から千葉県船橋市の日本大学理工学部・船橋キャンパスで開催される第55回応用物理学関係連合講演会で発表する予定。 |