080319_04
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
3月19日 |
080319_04 |
IBM |
光関連部品 |
光部品、光モジュール |
汎用コンピュータ用 |
未来のコンピュータ・チップにおける情報の流れを制御し少ないエネルギーでチップ性能を大幅に向上させる重要な構築部品となる毛髪の断面の約100分の1という世界最小のナノフォトニック・スイッチ
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米IBMは17日、毛髪の断面の約100分の1という、世界最小のナノフォトニック・スイッチを開発したと発表した。これは、電子の代わりに光パルスを使ってコンピュータ・チップ内のデータを伝送する「オンチップ光ネットワーク」の実現に向けた大きな前進である、とIBMでは評価している。
また、このスイッチは、未来のコンピュータ・チップにおける情報の流れを制御し、少ないエネルギーでチップ性能を大幅に向上させる重要な構築部品になるとしている。
IBMは、この技術開発の詳細をイギリスの光科学関連の雑誌、「ネイチャー・フォトニクス」4月号に発表。オンチップ光相互接続を実現するのに必要な、もう一つの主要コンポーネンツとして紹介した。
この中で、IBMの科学者は、電子信号が一度、光パルスに変換されると、ナノフォトニック・スイッチがネットワークの中で重要な交通整理の役割を果たし、1つのプロセッサコアからの光メッセージを、チップ上のほかのコアに効率的に確実に送ることができる、と説明している。
IBMの研究チームは今回、このスイッチがオンチップ光ネットワークに最適の特性を幾つか持っていることを実証した。その一つとして、非常に小型であることを挙げ、1平方ミリメートルの面積に2千個並べることが可能で、将来のマルチコアプロセッサの高集積要件を満たす、と説明した。
異なった複数の波長または光の色を同時に変換することができるため、膨大な量のデータのやりとりが可能だ。各波長は最大毎秒40ギガビットのデータを伝送でき、合計で毎秒1テラビットの帯域幅をスイッチできる。これは、離れたコア間で大容量メッセージを伝送するのに必要な能力を持っていると指摘した。
さらに、急激な温度変化が伴う実際のオンチップ環境での動作が可能なことを初めて実証した。この特性は、オンチップ光ネットワークに求められる最も厳しい要件の一つであると述べている。
同社によると、従来の銅線による電子信号の代わりに光パルスを使用することで、コア間の情報伝送速度を100倍に高速化する一方で、消費電力は10分の1に抑られるという。今回の開発は、05年11月、06年12月、そして昨年12月のオンチップ光ネットワーク構築に向けた一連の技術開発に続く成果となる。
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