入力がCCIR601/656の映像フォーマットに対応し監視カメラや車載リアカメラなどのカメラ画像の視認性を大幅に向上したＡＩＥ（アダプティブイメージエンハンサ）内蔵ＴＶエンコーダＬＳＩ

　ロームは、カメラ画像の視認性を大幅に向上したＡＩＥ（アダプティブイメージエンハンサ）内蔵ＴＶエンコーダＬＳＩを開発した。入力がＣＣＩＲ６０１／６５６の映像フォーマットに対応しているため、既存のＴＶエンコーダＬＳＩから置き換えるだけで、視認性を大幅に上げることができる。監視カメラ、ホームセキュリティ機器、ドライブレコーダ、車載リアカメラなどに供給する。サンプル価格は１５００円。今月から当面、月産１０万個で量産を開始する。

　ＡＩＥ内蔵ＴＶエンコーダＬＳＩは、同社独自のＡＩＥコアを搭載することにより、暗く見えにくい部分の輝度を上げると同時に、明る過ぎる部分の輝度を下げ、人が見るのと同様の優れた視認性を実現した。業界初のエリアごとの高精度補正処理を行い、逆光時や夜間のような暗闇の環境下でも、最適な視認性を得ることができる。

　また、ダイナミックレンジ補正画像処理機能、エッジ強調フィルター、ガンマフィルターを内蔵。これまでマイコンを通して行っていたＴＶエンコーダＬＳＩの電源立ち上げ時のＮＴＳＣ／ＰＡＬ設定、サンプリング周波数、ガンマ設定値などの読み込みを、外付けＥＥＰＲＯＭに持つだけで設定値を自動で読み込み、マイコンレスでの動作を可能にした。

　画像補正に必要なエンハンスド、エリア指定などの情報もＥＥＰＲＯＭから自動で読み込むため、既存のシステムやソフトウエアの変更を必要とせず、ＴＶエンコーダからの置き換えが容易にできる。

　エンコーダによるＮＴＳＣ（２７メガヘルツまたは２８.６３６３６メガヘルツ）、ＰＡＬ（２７メガヘルツ、２８.３７５メガヘルツまたは３５.４６８９５メガヘルツ）のコンポジット出力のほか、フォーマットＣＣＩＲ６０１／６５６でのデジタル出力にも対応する。ワイヤレスＬＡＮを通して、ネットワークへの接続も可能だ。

　入力データフォーマットＩＴＵ―Ｒ　ＢＴ・６５６―４または同期信号付きＹＣｂＣｒに対応している。データレンジは、フルレンジまたはＩＴＵ―ＲＢＴ・６０１に対応する。２線式シリアルインターフェイスで、内部のレジスタ設定が可能となっている。電源は４系統。

　ＣＭＯＳプロセス、９ミリ角４８ピンＶＱＦＰを採用している。

　前工程をローム本社（京都）、後工程をローム　インテグレイティッド　システム　タイランドで実施する。