071025_02
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
10月25日 |
071025_02 |
ローム |
半導体素子 |
光半導体 |
デジタル情報家電用 |
レーザーディスプレイ向けに最適な室温で連続発振可能な非極性(m面)窒化ガリウムを用いた波長460ナノメートルの純青色半導体レーザー
ロームは、非極性(m面)窒化ガリウム(GaN)を用いた波長460ナノメートルの純青色半導体レーザーの室温連続発振に、世界で初めて成功した。
次世代ディスプレイとして注目されているレーザーディスプレイに必要な緑色半導体レーザーにm面GaNが有効であることを実証できた。今回の開発成果を踏まえ長波長化を進め、年内目標で波長532ナノメートルの緑色半導体レーザーの室温連続発振を目指す。
m面のGaN半導体レーザーはローム、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授グループ、三菱化学の3者が研究共同体をつくり、研究開発に取り組んでいる。今回、ロームが純青色半導体レーザーの室温連続発振に成功したことで、m面GaNを用いた緑色半導体レーザーの開発に向けて1歩抜き出た。
ロームは、06年8月に半導体レーザー作製で不可欠な無転位結晶成長技術をm面で確立。07年2月に404ナノメートルの青紫色半導体レーザーの室温連続発振に世界で初めて成功するなど、短期間でm面GaN半導体レーザーの大きな開発成果を出している。
今回、室温連続発振を確認した純青色半導体レーザーは共振器長400マイクロメートル、ストライプ幅2.5マイクロメートル、波長463ナノメートル、しきい値電流69mA、しきい電圧6.2V、出力2mW以上。
活性層にインジウム(In)を入れてInGaN層にしたことで高くなった屈折率に合わせてガイド層にp−InGaN、n−InGaNを使い、光の閉じ込めを高め、長波長化を実現した。C面に酸化シリコン(SiO2
)と酸化ジルコニウム(ZrO2)の多層膜の端面反射膜を形成し、しきい値電流を抑えた。
抵抗値が上がるというm面GaN結晶の特性を独自の低抵抗化技術を導入し、これまでのC面GaNと同等の抵抗値にした。これによりm面半導体レーザーの低駆動電圧化を実現した。
C面青色半導体レーザーで斜めバンド構造による分極特性で電流が増えていくと、36ナノメートルの波長シフトが起こり発光が緑色から青色に変わるという課題を非極性のm面を用いることで13ナノメートルの波長シフトに抑え解決。非極性面の効果を世界で初めて実証した。
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