20メートルロングケーブルでも高品質伝送可能なHDMIver.1.3a規格に対応した3入力切り替え高性能HDMIスイッチIC

　ロームは、ＨＤＭＩｖｅｒ.１.３ａに対応した３入力切り替え高性能ＨＤＭＩスイッチＩＣ「ＢＵ１６００８ＫＶ」を開発した。イコライザ、ＤＤＣバッファを内蔵し、ＨＤＭＩｖｅｒ１.３ａ規格の２.２５ギガｂｐｓの高速伝送時にも高品質な伝送波形を得ることができ、２０メートルのロングケーブル使用時でも安定したデジタル映像／音声伝送を実現した。９月からサンプル出荷を開始し、１１月に月産１０万個で量産を始める。前工程はローム本社で、後工程はローム福岡で行う。

　新製品はＣＭＯＳプロセスを採用し、イコライザ、マルチプレクサ、高速差動ドライバーに加え、ディスプレイＩＤ信号に用いるＤＤＣバッファまで１チップに内蔵。デジタルソース機器とデジタルＴＶ／マルチメディアモニターとの間でデジタル映像／音声信号の切り替えと、高信頼性デジタル通信を実現した。３入力１出力切り替え。

　独自のＲＦ回路技術とパターンレイアウトの最適化で、ケーブルやコネクタによる信号の減衰、劣化を高度に補正し、高精度のインピーダンスマッチングを可能にした。これらにより、１０８０ｐフルＨＤ、ＲＧＢ１２ビット色深度対応。２.２５ギガｂｐｓ高速伝送、２０メートルロングケーブル対応、安定したＨＤＣＰ通信、業界初の１０ｋＶを超えるＥＳＤ（ＨＢＭ）耐量を実現。パッケージも実装しやすい８０ピンＶＱＦＰを用いた。

　２０メートルロングケーブル伝送するには、これまで複雑な回路、保護ダイオードが必要だった。今回は保護ダイオード機能も内蔵し、保護ダイオードを不要にした。また、ＨＤＭＩでＤＤＣラインのドライブ能力不足からコンテンツ保護のＨＤＣＰ信号の認証エラーを防ぐために必要だった双方向バッファを３入力ＨＤＭＩスイッチＩＣでは業界で初めて１チップに内蔵した。