ワイヤレス機器向けの主要規格に対応したアンテナとRF機能を１つのモジュールに統合した最新のアンテナソリューション

　英Ａｎｔｅｎｏｖａ社（アンテノーバ）のグレッグ・マックレーＣＥＯは、このほど都内で、アンテナとＲＦ機能を１つのモジュールに統合した「ＲＡＤＩＯＮＯＶＡ」やＡＴＣ（同調回路）向けなど、最新のアンテナ・ソリューションを発表した。

　同社は、２０００年に英国ケンブリッジに設立された高性能アンテナとＲＦアンテナモジュールのファブレス企業。中国をはじめ世界５カ所に製造委託企業を持っている。

　「急増するワイヤレス（市場）を可能にするものは、アンテナ。高機能・多機能化、小型化、さらに製品開発期間の短縮化に対応できる技術トレンドはモジュール化、統合化に尽きる。統合モジュールで無駄をなくしたＲＦフロントエンド・ソリューションと大きな統合度を実現していきたい」（マックレーＣＥＯ）。

　同社は、ＰＡＮ、ＬＡＮ、ＭＡＮ、さらにサテライトまでワイヤレス機器向けの主要規格に対応した製品を開発、充実した品揃えを特徴とする。

　フォーカスするマーケットは携帯電話やラップトップ／データ機器など大量の需要が見込まれる市場。

　ここに、業界に先駆けて開発した「ＨＤＡ」（高誘電体アンテナ）を皮切りに、標準型の「ｇｉｇａＮＯＶＡ」、マルチバンド・アンテナの「ＤＡＴＡＮＯＶＡ」、ＧＰＳ用をはじめとするＲＦアンテナ・モジュール「ＲＡＤＩＯＮＯＶＡ」へと、統合アンテナ／ソリューションを実現する製品を開発している。

　ＲＡＤＩＯＮＯＶＡは、１個のモジュールに（１）無線通信とＲＦコンポーネント（２）平衡誘電アンテナが含まれる。これによりＰＣＢ（プリント配線板）のサイズに関係なく、１つのモジュールがすべてに適合、製品内のどの場所でも動作し、統合化で高性能に最適という利点がある。

　０７年第１四半期から量産出荷が始まっている。

　このほかにＧＰＳアンテナ・モジュール、セルラーＲＡＤＩＯＮＯＶＡ、ＡＴＣ、モバイルＴＶ向けＤＶＢ―Ｈアンテナ、さらに新型のスタンダード・アンテナも紹介された。

　０８年には車載用のＲＦモジュールの製品化も予定する。

　「アンテナだけで考える時代は終わった。ＲＦとアンテナの統合で最適な性能が得られ、開発期間の短縮で最少のコストで済む」（サイモン・キングスレーＣＴＯ）。

　同社は、グローバルに設計・開発、サポートおよび販売拠点を展開しており、日本の販売代理店は協栄産業。今年後半には韓国とともに日本にも設計サポート拠点を設立する予定。

　「グローバルなローカライゼーションとパートナーシップがプレゼンスを確立し、効率を最大限に高める必須の条件。当社にとりアジアは重要。アジア全域に主要な顧客、サプライヤ、メーカーが存在しており、顧客ニーズを満たす柔軟なビジネスモデルを構築していきたい」（マックレーＣＥＯ）。