超伝導線の最重要性能である臨海電流値180Aを実現した革新的ビスマス系高温超伝導線

　住友電工は、臨界電流値１８０Ａの革新的ビスマス系高温超電導線「ＤＩ―ＢＳＣＣＯ」のサンプル供給を開始した。６月末をメドに量産体制を整備していく。

　 同社は、世界最高レベルのビスマス系高温超電導線を開発し、米国での高温超電導ケーブル実証実験などに参画。臨界電流値１５０Ａの高温超電導線（高電臨界電流仕様）を世界市場に向け販売してきた。

　０６年１月には２００Ａ級という世界最高性能の高温超電導線を開発。その後、性能向上、コスト低減、量産技術の確立などに取り組み、今回、工業製品として臨界電流値を１５０Ａから２０％改善した１８０Ａ高温超電導線のサンプル供給を開始することとなった。

　臨界電流値は、超電導状態で流せる最大の電流値で、超電導線の最重要性能。臨界電流値の向上により、電力用ケーブル、変圧器、モーター、発電機、電磁石などの応用製品で、電力品質やエネルギー効率の向上が可能になる。応用製品に必要な超電導線のトータルコストを削減できるため、製品価格競争力の向上にも寄与できる。