070328_03
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
3月28日 |
070328_03 |
インテル |
半導体集積回路 |
マイコン・DSP |
パソコン・OA機器・LAN用 |
高画質映像の高速再生・ダウンロードと低消費電力化を実現した次世代モバイルコンピュータ用プラットフォーム「サンタローザ」
ドイツのハノーバーで15日から21日まで開催された世界最大規模のICT(情報通信技術)見本市「CeBIT(セビット)」で、米インテルは、次世代モバイルコンピュータ用プラットフォーム(開発コードネーム=サンタローザ)の全容を明らかにした。同社モバイル・プラットフォームグループ、コンシューマ・マーケティング担当ディレクター、カレン・レジス女史がその詳細について語った。
今年第2四半期(4―6月)にもリリース予定の「サンタローザ」は、前世代の「セントリーノ・デュオ」モバイルプラットフォームの後継版で、同じプロセッサ・アーキテクチャを採用。最新のメモリー体系やチップセット、無線接続システムを使い、低消費電力と高画質映像の高速再生・ダウンロードに対する強い需要に対応するとしている。
プロセッサは前世代と同じ「コア2デュオ(コードネーム=Merom)」を使用する。だが、レジス女史は、低消費電力の面で大きな改善がみられると説明する。
最大4メガバイトのL2キャッシュメモリーを装備しているのは、前世代と同じ。だが、フロントサイドバス(FSB)の動作周波数が667メガヘルツから800メガヘルツに引き上げられている。システムバスのクロック周波数を動的に切り替える技術により、仮想的バスのスピードを従来の800メガヘルツから400メガヘルツに削減。こうした機能により、低消費電力を実現させ、最終製品のバッテリ寿命を延ばせるという。
新たな電力管理機能
さらに、サンタローザのプロセッサはアクティブ状態では非常に有用に動作し、そうでない時は電力節減のために超低電力モードとなるなど、新たな電力管理機能も装備する。
同女史は「インテルの電力管理努力は、ここでとどまることはない」と語り、もうひとつの電力節減技術「DPST3・0」については「プラットフォームの電力の35%を消費する、ディスプレイ電力を節減する技術で、フレームバッファで画像を取り込み、バックライト光度を制御する。これを使わない場合に比べ、25%低いパネル消費電力で、ほぼ同じ画像を表示できる」という。
また同社は、東芝松下ディスプレイテクノロジー(TMD)とも協業し、TMDが開発したディスプレイ電力最適化技術「D2PO」も、サンタローザプラットフォームに導入した。
インテルは今回、メモリー体系にも変更を加え、ハイブリッド・メモリー記録システム「ターボメモリー」(開発コード名=ロブソン)を採用。NAND型フラッシュメモリーをOSとHDD間のキャッシュとして使用する同システムによって、OSの起動時間を20%速め、アプリケーション起動も高速化することが可能となった。
新型チップセット
電力管理技術のほか、サンタローザはよりシャープな映像再生、ダウンロードを実現するため、チップセットも新型の「965エクスプレス(開発コード名=クレストライン)」を使用。統合型モバイル・グラフィックソリューションにクリア映像技術を統合。「DirectX10」に対応し、3Dグラフィックス機能を大幅に向上させた。
より高速接続を可能にするため、次世代802・11n無線LAN技術「ワイヤレスWiFiリンク4965AGN」も採用。これによって、従来比5倍のデータ転送速度を実現することに成功した。
レジス女史は「モバイルPCの出荷台数は今年1億台が見込まれている。これが当社の新プラットフォームに大きな好機をもたらすことは確実だ」と自信をみせた。
(ハノーバー〈独〉=姜前特派員)
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