携帯電話などの内部接続用で嵌合高さ1.0ミリと世界最薄で高機能の縦型嵌合タイプ細線同軸コネクタ

　アイペックスはこのほど、携帯電話などの内部接続用に、縦型嵌合タイプ細線同軸コネクタとして、世界最薄、かつ高機能の「ＣＡＢＬＩＮＥ−ＵＢ」を開発したと発表した。ケーブル側＆基板側コネクタの嵌合高さ１.０ミリメートルを実現したもの。既に年内販売予定の携帯電話機数機種への搭載が決定している。

　 新製品は、携帯電話やモバイル・ユビキタス製品の内部接続用に開発した０.４ミリピッチ縦型嵌合細線同軸線用コネクタ。（１）薄型デザイン（２）高性能（３）高信頼性・良好な作業性などを達成した。ケーブルサイズＡＷＧ＃４４に対応。最大定格電流０.１５Ａ/ピン（ＡＣ/ＤＣ）、使用温度マイナス４０度−プラス８５度Ｃ。適応芯数は、当初４０芯から随時拡張する。

　 携帯電話は、０.１ミリメートル単位で筐体の薄型化を競っており、コネクタとしても一層の薄型化と、かつ機器の高機能化に応じて、伝送特性を向上させつつ、基本的な接触信頼性・作業性を確保するという顧客要求が強まっている。

　 同社は、携帯電話向け細線同軸線コネクタでトップシェアを持つ。新開発のＣＡＢＬＩＮＥ−ＵＢは、現行ＣＡＢＬＩＮＥシリーズの設計思想を基盤に、市場のさらなる厳しい要求に応える形で製品化したもの。

　 特徴として、薄型デザインについては、ケーブル側＆基板側コネクタの嵌合高さが１・０ミリメートルで、縦型嵌合の細線同軸線用コネクタとしては世界最薄を実現。ケーブル側コネクタは、同社独自の精密加工技術を基盤としたインサートモールド工法で製造され、世界最薄サイズ、かつ高剛性を実現している。

　 高性能化については、金属シェルで多点グランド経路を形成し、ＥＭＩ対策を強化。インピーダンスマッチングを考慮し、理想的な伝送経路を構築した。

　 高信頼性・作業性の面では、ロール面同士の接触と、高いバネ性を持つベローズタイプコンタクトによる高い接触信頼性を実現。基板側コンタクトのワイピング機能により、万一の場合のゴミかみ防止。コネクタ基板面を樹脂で覆い、基板パターン・ＶＩＡホールの配置を自由化している。位置決めしやすいケーブル側コネクタ両端タブを設けており、嵌合作業が容易に行える。