070220_4
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
2月20日 |
070220_04 |
アイティティキャノン |
接続部品 |
コネクタ・プラグ・ジャック・ソケット |
一般産業用 |
高信頼性と高性能を実現したコネクタのピッチ1.27ミリメートルの宇宙用電子システム向けバスコネクタ
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アイティティキャノン(神奈川県座間市)は、宇宙システム機器用に最適なバスコネクタを国内で開発し、量産を開始した。MBFシリーズコネクタと呼ばれ、国内の宇宙システム機器会社と共同で開発した。国内での搭載をもとに、海外事業者向けにも販売の拡大を検討している。
日本で打ち上げられる衛星は無人衛星であり、使用される電子システムには、高い信頼性はもちろん、高い性能が必要となる。このシステムの制御は、地上からの指示では時間的に対応ができず、航行のための位置補正も含め、機器内での自律した処理が必要となる。そのため、ソフトにも早い反応が求められ、国内製リアルタイムOSであるITRONなどが使用されている。さらに、次世代のT−Kernelの搭載も検討が進んでおり、日本が生んだ技術が生かされている。
しかし、コネクタに関しては、海外製品の搭載が多い。従来は、NASA指定部品の規定により、このような状況になっていたが、状況は変わりつつある。国内では、民生用コネクタの応用による価格を抑えた部品の安定供給が求められるようになってきた。だが、民生分野に使用されるコネクタでは、開発時の材料の選定や使用環境の設定基準も異なり、そのままでの使用には問題がある。
宇宙用電子システムのバスコネクタには、金線入りシリコンゴム・コネクタを用いていた。このシリコンゴム・コネクタは、接触構造から信頼性を確保した使用方法の確立や、機器の組み立てが極めて難しく、システムの処理速度を速めるためのバス信号の高速化にも問題が指摘されていた。
同社は、海外での宇宙システム機器への搭載実績をもとに、DサブやMDM(マイクロDサブ)などを国内の宇宙用電子システム機器会社に納めている。その実績に加え、開発・生産を日本で実施することで、従来の信頼性の確保と、求められている民生用コネクタの技術を応用して、MBFコネクタを開発した。
MBFコネクタのピッチは1.27ミリメートルであるが、0.3ミリメートルピッチコネクタレベルの薄肉で設計。1極当たりのコンタクトが、完全に分離された二つのコンタクトからなっているためである。
また、シリコンゴム・コネクタの利点の一つとして、柔軟性と接触部での短絡・脱落なしの両立が挙げられるが、これにはコネクタ全体をフローティングする構造で対応している。
フローティング構造は、民生用コネクタで多数使用した実績がある。現在では、OA機器やカーナビなどでも多数使用されている技術である。コンタクトも、材料の板厚や抜き幅は携帯電話に使用されているものと同程度となっている。これら民生技術の応用と、宇宙用コネクタとしての材料選定や構造設計で高い信頼性を確保している。
今後、宇宙市場においても、日本製機器、日本製部品の活躍がますます期待されている。
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