電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
12月15日061215_03 坂東電線 接続部品 コネクタ・プラグ・ジャック・ソケット 一般民生用

純スズメッキの銅線で実現したウイスカ(ヒゲ状の突起物)抑制フラットケーブル



 坂東電線(埼玉県朝霞市、宮坂俊夫社長)は、ウイスカ(ヒゲ状の突起物)抑制FFC(フラットケーブル)を「純スズメッキ」の銅線で実現する製造技術を確立した。高価な金メッキFFCに対し、純スズメッキによるウイスカ抑制効果を、従来の鉛含有スズメッキ品と同水準の製造コストで実現した。

 開発した純スズメッキ銅線は(1)従来1.5マイクロメートル程度あったスズメッキ層厚を0.7マイクロメートルに薄化(2)メッキ後の焼鈍(アニール)工程を2度繰り返し、メッキ層の大半を2種の「銅とスズの合金」層に加工する。メッキの薄化と合金化により、ウイスカの源である「スズ」自体の量を大幅に減らした。

 また、焼鈍工程を従来の1回から2回に増やすことで、生成が可能な新たな合金「Cu3Sn1」は、密度の影響で、ウイスカ抑制効果をもたらすと同時に、拡散層の成長も阻害し、内部応力によるウイスカの発生も抑制している。

 ウイスカは、メッキ加工などによりケーブル内で生じる「内部応力」と、コネクタを嵌合した際に、メッキ部が圧縮され生じる「外部応力」と、二つの応力で発生するとされている。



ウイスカの発生95%削減

 メッキ厚1.5マイクロメートル、焼鈍1回の従来工法の場合、50―100マイクロメートル程度の長さのウイスカが多数生じていた。新工法では、ウイスカの発生数を従来工法に比べ95%削減したうえ、長さも50マイクロメートル以下に抑えられる。

 ウイスカは、ケーブルの狭ピッチ化が進む中、ショートなどの不良原因となり問題になっている。以前は、スズに鉛を混ぜて発生を抑制していた。ただ、近年では、欧州有害物質規制の施行などを受け「鉛フリー」の代替品が開発、使用されている。

 同社は、03年から開発に取り組み、04年からこの独自技術を用いたウイスカ抑制純スズメッキFFC「WRシリーズ」を段階的に出荷。既に、国内大手PCメーカーなどに採用され、累計6千万枚の出荷実績がある。

 同社では「コネクタごとに嵌合性は異なる。ただ出荷以来、各コネクタメーカーによる評価が進み、ほとんどのコネクタで嵌合性、ウイスカ抑制効果が実証された」として、このほど、金メッキ品を除くFFC全製品への新技術の適用を決定した。

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