060622_01
日付 |
メーカー名 |
製品分類 |
分類 |
用途 |
6月22日 |
060622_01 |
ローム/京大大学院 |
半導体素子 |
光半導体 |
一般産業用 |
フォトニック結晶構造を利用し様々な形状のビームを自在に発生できる面発光半導体レーザー
京都大学大学院工学研究科の野田進教授とロームは、様々な形状のビームを自在に発生させることができる面発光半導体レーザーの開発に、世界で初めて成功した。
半導体レーザーから出るビーム形状は、これまで内部で制御することができず、縦長の楕円ビームが一般的であった。ビーム形状を半導体レーザー内部で制御するためには、ビーム出射面の電磁界分布を、従来とは全く異なる方法により制御する必要がある。
野田教授らは、2次元的な周期的屈折分布を持つフォトニック結晶は、光のエネルギーが伝搬する速度が、ある条件でゼロとなる性質に着目、これを半導体レーザーの光共振器として用い、結晶構造を変化させることにより、異なる形状のビームを発生させた。
作製したデバイスの構成材料は、インジウム・ガリウム・ヒ素/ガリウム・ヒ素半導体で、発振波長は980ナノメートル。すべて室温で連続発振し、安定した単一モードで発振したとのこと。最大出力は、室温連続条件で46ミリワットを得ている。
フォトニック結晶の格子点形状の制御や、格子間隔のシフト導入により生成されたビーム形状は、単一ドーナツ、2連、4連ドーナツ、真円などが得られている。ビーム広がり角は、大面積コヒーレント発振を反映して2度以下と、極めて狭くなっている。
今後、フォトニック結晶構造をさらに制御することにより、全く新しいビーム形状が得られる可能性があり、超高密度メモリーやレーザーディスプレイ、さらにはマイクロフルディスクやナノバイオなど、全く新しい分野への応用も期待される。
また、この半導体レーザーは、基板面に垂直に光が出る面発光レーザーのため、生産面で大きなメリットがある。ロームでは、2-3年後の実用化を目指す。
なお、この成果は、22日発行の英国科学雑誌「ネイチャー」に掲載されている。
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