電波プロダクトニュース
041109_02
n型有機薄膜トランジスター 独立行政法人産業技術総合研究所(吉川弘之理事長)の光技術研究部門(渡辺正信部門長)は8日、塗布法(スピンコート法)で優れた電子移動度をもつn型有機薄膜トランジスター(有機TFT)の作成に成功したと発表した。トランジスターの低コスト化、大面積化が可能となり、プラスチックなどのフレキシブル基板上への印刷による有機デバイスの実用化で前進した。 有機TFT、有機EL素子、太陽電池などで実用化の期待が大きい有機半導体材料だが、塗布法で作成可能な優れたn型半導体特性の材料はこれまでなかった。 サッカーボール型構造で知られるフラーレン(C60)は、優れたn型半導体特性を示すことが知られており、超高真空中での製膜により、アモルファスシリコン並みの電子移動度を達成していた。が、大面積化が不可能、大型設備が必要で、製造プロセスが高額などの問題があった。 今回、産総研はフラーレンにアルキル鎖を導入することで、有機溶媒に溶けるフラーレン誘導体C60MC12を合成し、塗布するだけでフラーレン頭部が自己凝集によって層構造を形成し、良好な結晶性薄膜の作成に成功した。 有機半導体層に、合成したフラーレン誘導体を用いて有機TFTを作成し性能評価したところ、電子移動度は0.067・/Vsを達成し、塗布法によるn型有機半導体としては最高値を示した。 塗布法によるn型で、すでに成果で先行しているp型と同程度の電子移動度を達成した結果、有機半導体でp型とn型が揃ったことになる。この組み合わせにより、トランジスターやメモリー回路設計で自由度が向上し、より小型の有機電子回路の実用化が前進する見込みだ。 今後は塗布法でn型、p型を同一基板上に作って有機相補型MOS(CMOS)回路を形成する予定だ。 |
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