電波プロダクトニュース
040625_01
電源システム 東芝は、小型のオーディオプレヤーやワイヤレスヘッドセットなどの小型電子機器向けにダイレクトメタノール燃料電池(DMFC)を用いた親指サイズの世界最小電源システム(出力100ミリW)を開発した。2005年中に実用化を目指し、さらに性能レベルを高めていく。 燃料には純度100%のメタノールを使うため、燃料タンクは10%以下に希釈する一般的なシステムに比べ10分の1以下に小型化できた。燃料ポンプや送風ファンも全く使用せず、小型化に適したパッシブ型の燃料電池セルを採用している。 また、電極内では触媒を直径数ナノレベルの微粒子にして高密度に配置する新構造を採用し、メタノールの分解性能や水素と酸素の反応性を高めるなどの改善を行った。さらに、電極の設計改善などで電力の出力効率を同社従来比で約5倍に高めている。 内蔵タンクには燃料(メタノール)を2ミリリットル入れるだけ。小型オーディオプレヤーなら最初にわずか数秒の燃料充填だけの手間で最大約20時間の駆動が可能。2次電池のように途中充電の必要もなく、連続的に使えるメリットがある。同社ではこの小型燃料電池を使用した小型オーディオ機器などの電子機器の開発も同時に行う。また性能面では出力を1Wまで高め携帯電話にも使えるようにしたい考え。同社ではすでにノートパソコンや携帯電話向けにアクティブ型の燃料電池も開発しているが、今回の技術と合わせ幅広い用途に対応できる燃料電池技術の開発につなげる。 ▽ダイレクトメタノール燃料電池(DMFC) 電解質膜を2つの電極で挟む構造で、燃料極側でメタノールと水から作られた水素イオンが電解質膜を通過し空気極で酸素と反応、この時両電極間に電流が流れる。メタノール濃度を高めると分解前のメタノールが電解質膜を通過して発電することなく酸素と直接反応する「クロスオーバー現象」が発生しやすいため、従来は数%から数10%に希釈したメタノールを用いていた。今回東芝ではメタノールの分解性能を高めるナノメートル級触媒微粒子を高密度に配置する電極構造の開発で純メタノール使用を実現した。 |
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