電波プロダクトニュース



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日付 メーカー名 製品分類 分類 用途
3月11日040311_02 三菱電機 光関連部品 光モジュール他

切替時間1ms(世界最速)跳ね橋型光スイッチ実用化



 三菱電機は1msと世界最速で、16本の光ファイバーの切り替えが可能な独自の跳ね橋型光スイッチの実用化に成功した。9月にもサンプル出荷を開始する。価格はMEMSスイッチの10分の1の50万―100万円になる見込み。すでにこのスイッチを搭載した都市型光ファイバーネットワーク向け光クロスコネクト装置を試作。さらに小型化を進めていく計画である。

跳ね橋型光スイッチは、樹脂フィルム内の(光が通る)導波路を用いて、機械的にスイッチ切り替えを行うもので、従来の光スイッチ方式であるMEMSや2次元導波路方式に比較し、高速切り替え、低損失を実現した。

光信号を光のまま効率的にやりとりできるため、光スイッチを用いた光クロスコネクト装置の開発が活発化、通信キャリアは新システム導入に向け、動作実験を行っている。 現在の光ネットワークシステムは、中央部で光信号をいったん電気に変換して処理した後、光に戻し切り替えを行っており、データの高速、大容量化で回路の大規模化や切り替えのタイムラグといった課題が生じていた。

跳ね橋型光スイッチは縦16本、横16本の格子状の導波路の各クロスポイントから45度ずらした溝を樹脂フィルム上に30μmの深さで刻み、溝の開け閉めで光の全反射を利用して光の方向を変え、切り替えを行う。 この溝の開け閉めを行うため、圧電素子アレイ(日本ガイシが開発)、ボール、ばねを用いた機械的駆動機構構造を開発した。光導波路のクロスポイントを正確に押圧するため、上下をボールではさみ、圧電素子アレイに200Vの電圧をかけると、ボールが樹脂フィルムを4μm引き上げ、切り替え位置の溝を開く仕組みだ。

3年前から開発を進め、実用化レベルにいたったのは、切り替えを低損失で行うための溝の切り込み方法を工夫したこと。ダイヤモンドカッターの刃で5μmの傷をいれ、クリーブ加工技術を用いた璧開によって、面精度を14nmと滑らかにした。これにより損失は、0.05デシベルと小さく、30ポイント透過後も累積は1.5デシベルだった。1000万回以上の切り替えを実証し、安定動作性を保証している。 試作した光クロスコネクト装置はフォトニックネットワークの制御方式として標準化が進む、GMPLSに対応している。


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