キーワードはいよいよ商用化が始まる5Gをはじめ、AIの台頭、スマートホームの具現化、8K、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)、自律走行など。様々な機器やサービスがつながるコネクテッドは当たり前になり、そこから生まれる新たな価値を創造していく提案も本格化してきた。
運営する全米民生技術協会(CTA)マーケットリサーチのスティーブ・コーニグ副社長は開幕前のカンファレンスで「00年―10年をデジタルのハードの時代、10年―20年をSNSやデジタルコンテンツの拡大などコネクテッドの時代、20年からはデータの時代になる」と強調したように、今回のCESではつながる≠サの先の経験価値を訴求するものが多く見られた。
今年も展示会場は、中央ホールに家電関連やカメラなどのセットメーカーが多く出展。北ホールは主に自動車メーカーやカーエレクトロニクス関連企業が出展した。近隣のサンズエキスポコンベンションセンターでは日系部品メーカーをはじめ、多くのスタートアップ企業が最新技術を披露。大手主要各社は周辺ホテルにもブースを持ち、商談の場として活用したほか、ICT関連各社もデジタル時代を支える技術群を訴求。
主要各社の展示を見ると、いよいよスタートする5G時代を見据えた高速無線通信の時代を想定した提案が行われたほか、AIやIoTなどの最先端技術を使ったスマートホーム、オートノマスをキーワードにした次世代自動車がもたらす生活シーンなども披露された。
パナソニックでは居住空間から移動空間、公共空間における新たな価値を総合的に訴求したほか、韓国や中国のメーカーはスマート家電が実現する生活シーンを多く実演。グーグルやアマゾン・ドット・コムなどのAIアシスタント連携なども随所で提案されており、多数の来場者がリビングやキッチン、バス、寝室での新たな経験価値を体感していた。
映像関連では高精細4Kテレビが当たり前になり、主要各社はフルハイビジョンの16倍という超高精細の8Kテレビを出展。シャープやソニーといった日系をはじめ、韓国、中国のテレビメーカー各社は8K時代の幕開けを思わせる展示を行っていた。韓国のサムスン電子やLGエレクトロニクスは新しい発想のディスプレイも訴求した。
自動車関連では日産自動車やホンダといった自動車メーカーがブースを出したほか、国内主要カーエレクトロニクス各社はオートノマス時代を見据えた技術展示と近未来の移動シーンを想定した実演を行った。
◇CES2019からAV関連、スマートホーム/AI、自動車関連、5G、注目技術に分類し、次回から展示会のトピックスを紹介します。同時に電子デバイス面、コンシューマ・ホーム面で国内主要各社の出展について連載します。
(つづく)
(CES取材班)