サンノゼで開催

センサーEXPOで何が起きているのか。

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IoTや自動運転などを支える
最新のセンサー技術が紹介された

 【サンノゼ(米国カリフォルニア州)=田坂弘明特派員】センサー技術の専門展示会「センサーEXPO」が現地時間の28日、当地で開幕した。27日からは既にカンファレンスが開始されており、最新のセンサー技術や開発トレンドなどが紹介された。展示会場でも自動車やロボット、IoTなど幅広い産業分野に応用される最先端のセンサー技術が展示され、多くの来場者が集まった。
 今回は300社を超える企業が出展。展示会の規模はそれほど大きくないが、専門技術展ということもあり、明確な目的を持った来場者が多いことが特徴だ。これまでシカゴで行われていた同展示会は、昨年からサンノゼで開催されている。

 アルプス電気はIoT導入を促進する新たなサービスとして「センサークラウド評価サービス」を今回の展示会に合わせて発表した。同サービスはこれまで単体で提供してきた「センサーネットワークモジュール」に加え、ゲートウエイやクラウドサービスまで一括で提供するもの。

 伊賀昌幸セールスディレクターは「この評価サービスは誰でもすぐに簡単に、自分のアイデアをシステムとして構築できる。シリコンバレーに数多く存在するスタートアップなどに活用してほしい」と話す。

 STマイクロエレクトロニクスは13.5ミリメートル角の基板上に各種センサーやMCU、ブルートゥースローエナジー(BLE)などを実装したモジュール「センサータイル」などを展示した。

 会場では同社のMEMSセンサーに加え、LoRaやSIGFOXなどのLPWA(ロー・パワー・ワイド・エリア)用通信ICも紹介。エドアルド・ガリジオマーケティングマネージャーは「センサーを通じてデータを取得するだけでは意味がない。データを伝送し、活用してこそ価値がある」と話す。

 村田製作所は自動車や医療向けの各種センサーを展示したほか、多種多様な無線モジュールも紹介。高精度なセンシング技術と同社が強みを持つ無線モジュール技術を組み合わせ、注力する自動車や医療・ヘルスケア分野などに提案していく。

 ロームは産業機器や農業、ヘルスケア向けIoT技術を紹介。産業機器の予防保全に活用できるマシンヘルスソリューションは、センサーEXPOアワードを受賞し注目を集めた。

 自動運転の実現を目指して、開発競争が激化する自動車は、重要なセンサーアプリケーションの一つ。

 TDKは以前から保有する技術とM&Aにより新たに加わったインベンセンスやミクロナス、トロニクスの各種センシング技術を一堂に集めて紹介した。センサシステムズビジネスカンパニーの三室豊彦経営企画部長は「今後もセンサーの利用領域はますます増える。各社の技術統合により自動車やICT、産業機器・エネルギーと幅広い領域をカバーできる」と話す。

 今回出品したデジタル出力方式のTMR角度センサーは、室温環境下で角度誤差±0.05度のセンシング精度を達成。

 加レーダーテック社は自動運転を支えるセンサー技術の一つあるLiDARを展示。同社の製品は回転機構を持たないソリッドステート型のLiDAR。手のひらに収まる小型サイズで215メートルまでの検出が可能だ。