ローム/ラピス

3Kクラスまで対応の車載用液晶パネル向けチップセットを開発

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 ロームとグループ会社ラピスセミコンダクタは解像度HD/FHDクラスから3Kクラスまでの車載用高精細液晶パネル向けチップセットを開発した。スピードメーターやサイドミラー表示のクラスタ(インパネ)用液晶パネルにも使用できるよう液晶パネルの不具合を検出できる機能安全を世界で初めて液晶パネル向けICで備えた。

 自動車ではクラスタやカーナビ、電子ミラーなどの液晶パネル化が進展。液晶パネルの大型化、高精細化も進む中で液晶の不具合を検知し、事故の未然防止に貢献する機能安全対応のチップセットの要望に応えた。

 新開発のチップセットはタイミングコントローラ(TCON)、パワーマネジメントIC(PMIC)、ガンマ補正IC、ソースドライバー、ゲートドライバーの5種類。16年11月からサンプル出荷を始め、1月から月産5万個で量産を開始する。サンプル価格5千円(税別)/個。タイミングコントローラ、電源ICは単品でも販売する。前工程をローム浜松とラピスセミコンダクタ宮城(宮城県)、後工程をローム エレクトロニクス フィリピンで行う。

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評価用アプリケーションボード
(電源IC、タイミングコントローラ)
 チップセットを簡単に評価できるアプリケーションボードやリファレンスデザイン、マニュアルなどの設計サポート体制も整えている。さらに大型、高精細液晶パネル向けの機能安全を備えた車載チップセットの開発を進める。

 今回、開発したチップセット5種類のICは、いずれも想定される故障モードを相互に検出する機能を盛り込み、タイミングコントローラにはFail検出回路を内蔵し、各ICの状態を検知してチップセットの動作検証を行えるようにした。これにより液晶ドライバーの破壊や剥離、液晶への入力信号などの情報を随時確認、フィードバックし、チップセットとして補完的に液晶パネルの不具合を検出する。PMICは異常検出のためにダブルレジスタを採用。異常時の復帰用オートリフレッシュ機能を搭載し、ノイズなどにも強い。

 IC内のレジスタ値を書き換えるだけで簡単にPMICの各出力を変更できる。

 液晶パネルの解像度に合わせてタイミングコントローラを入れ替えるだけでその他の4種類のICはそのままで、HD720(解像度1280×720ピクセル)からFHDクラス(1920×720ピクセル)、FHD1080(1920×1080ピクセル)、次世代クラスタ用の3Kクラス(2880×1080ピクセル)までの高解像度液晶パネルに対応できる。

 1月の量産時には、HD720、FHDクラス対応のタイミングコントローラを供給。今夏にFHD1080と3Kクラス対応のタイミングコントローラの量産を開始する。