車載カメラモジュール用コネクタ技術開発が活発

各社、デファクト獲得へ 高速伝送を実現し 小型・軽量で高信頼性

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デジタル車載カメラ向けコネクタ
 コネクタメーカー各社では車載用カメラの高画素化やデジタル信号伝送化の動きに対応した技術開発が活発化している。各社は、自動運転/ADASの高度化により市場本格化が見込まれる車載センシングカメラに照準を合わせた車載カメラモジュール用コネクタの先行開発に注力し、ディファクトの獲得を目指す。

 ADAS/自動運転の進化に向け、重要な鍵を握る車載用カメラは、車1台当たりの搭載個数増加に加え、製品の高性能化が進んでいる。最近の車載カメラは、従来の標準だった30万画素タイプ(VGA)から、100万画素クラスへの切り替えが進みつつある。

 車載用カメラは、これまでのアナログ車載カメラによるパーキングアシスト用途としての活用から、ADAS/自動運転をサポートする高速デジタルセンシング用カメラへと進化していく見込み。

 同時に、最近は車載カメラを活用した「ミラーレス(サイドミラーレス/バックミラーレス)自動車」の技術開発も進められている。ミラーレス自動車には、200万画素クラスの高精度カメラが搭載される見込み。

 このため、コネクタ各社は車載カメラの技術進化に照準を合わせた車載カメラモジュール接続用コネクタの技術開発を活発化させている。高速伝送性能を実現しつつ、小型・軽量で信頼性・防水性にも優れた製品開発に力が注がれる。

 SMKは車載カメラ用コネクタを成長エンジンの一つに位置付け、積極的な展開を図っている。カメラモジュール用および中継用コネクタを展開し、同軸、差動伝送、防水/非防水などのラインアップをそろえ、特にVGAモジュール用では高い市場シェアを確保。15年度の車載カメラ用コネクタ売上高は前年比約6割増と大幅に伸長した。メガピクセルカメラ用も量産化済み。「車載カメラ向けを成長エンジンの一つとし、将来の車載コネクタ売上高100億円達成を目指す」(池尾政信執行役員CS事業部長)。

 日本航空電子工業はLVDS信号対応車載デジタルカメラ用コネクタ「MX55シリーズ」を開発、量産を開始している。コネクタ単体の提案に加え、画像伝送のトータルソリューションの強みを生かした提案に力を注ぐ。

 本多通信工業はデジタル車載カメラ向けに最適な車載カメラ用コネクタ「デジタル3兄弟」を開発、今夏よりベースモデル提供を開始した。IP69K防水性を実現しつつ、耐ノイズ性を強化した。ベースモデルはLVDS2品目(ねじタイプ/パッシブロックタイプ)と同軸1品目。同コネクタをベースにカスタム品開発を進め、「18年頃からのビジネス化を計画する」(佐谷紳一郎社長)