プリント配線板各社 車載用基板事業を拡大

高まる電装化率 搭載枚数が増加

 プリント配線板メーカーが車載用基板事業を拡大している。自動車の生産台数増に加え、電装化率の高まりで搭載枚数の増加が需要を押し上げる。各社ではADAS(先進運転支援システム)をはじめ、自動車における機能強化による電子化進展に対する取り組みを強化する動きが活発化している。

 16年3月期第3四半期(4―12月)におけるプリント配線板メーカーの売上高は、車載向けの事業を伸ばしているのが特徴的。主要スマホメーカーとの取引がある企業は売上高を大きく伸ばしているが、そうでないメーカーの場合は売上げの伸びは低い。

 共通しているのは、自動車分野での受注を伸ばしている点。

 日本シイエムケイの第3四半期の売上高は前年同期比横ばいの544億2300万円。通期では前年比0.4%増の740億円を予想。売上げの伸びは低調だが、車載向けの販売は増加している。
 北米の新車販売が好調に推移していることを背景に、タイ工場からの北米への輸出が増加。さらに日本では自動車税の増税などで新車販売が振るわないが、ADASの普及が追い風となり、新たな車載用基板の販売が増加しているという。

 メイコーの第3四半期の売上高は前年同期比6.5%増の718億8200万円だった。通期では前年比2.4%増の931億円を予想。

 スマホと車載を両輪に売上げを伸ばしている。特に自動車向けについては、ADASをはじめとする用途拡大に合わせた高放熱基板やミリ波レーダー、カメラモジュールなどの高周波基板などの高機能、高付加価値製品の提案を積極的に行いながら安定した販売を確保した。

 日本メクトロンの第3四半期の売上高は前年同期比30.7%増の3408億6700万円を確保。スマホ向けを中心に車載用FPCを伸ばした。

 車載用FPCの用途としてインフォテインメント、スイッチ、センサー、ライト、パワートレインなどをターゲットとしている。中でもライトはLEDの採用が広がり、LEDライト用FPCの受注を伸ばしている。通期における車載用FPCの売上高は前年の300億円に対して、380億円内外に達する見通し。

 同社では、先に欧州における折半出資の合弁会社を子会社化。今後、FPCへの部品実装事業を車載用モジュール事業へと進化させ、車載分野での事業拡大を目指す。