日立化成、独で開始 「太陽光で発電した電力を地産地消」


画像1

 日立化成は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託により、ドイツで太陽光で発電した電力を地産地消するスマートコミュニティ技術実証事業を開始する。

 ドイツは、50年に国内電力需要の少なくとも80%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げている。太陽光発電の売電価格が電力会社などから購入する電気料金より安くなっており、電力需要家が発電した電力を電力会社などに売電するメリットが少ない状況になっている。

 また、太陽光発電した電力を大量に売電しようとすると現状は送配電網に容量の制約があることから、太陽光発電した電力を売電しないで自己消費する地産地消システムを構築するニーズが高まっている。

 NEDOはシュパイヤー市、シュパイヤー電力公社(SWS)および住宅供給公社(GEWO)と協力して、14年11月からエネルギー地産地消型の実証事業の開始を決定した。

 日立化成はNTTドコモ、NTTファシリティーズ、日立情報通信エンジニアリングとともに、実証事業の委託を受け18年の3月まで行う予定。

 16世帯の集合住宅2棟を「世帯単位での自己消費モデル」と「棟単位での自己消費モデル」の実証サイトとし、太陽光発電パネル、蓄電池、インバータ、ヒートポンプ、各種センサーおよびHEMSから構成される。太陽光で発電した電力を家電や暖房などで利用した後、余剰を蓄電池とヒートポンプで蓄電・蓄熱し、需要に合わせて利用することで自己消費率を向上させる。

 日立化成はリチウムイオン電池と低コストの鉛蓄電池を組み合わせて、蓄電デバイスの特徴を生かしたハイブリッド蓄電システム設計を担当する。