富士通セミコン 1Mビット強誘電体メモリーパッケージ

ウエアラブルデバイス向け 業界最小クラス実現

 富士通セミコンダクターは業界最小クラスとなる1メガビットの強誘電体メモリー(FRAM〈注〉)パッケージを開発した。

 メガネ型やヘッドセット型など、アクセサリや健康・医療用途で注目されるウエアラブル市場では、小型・薄型化、低消費電力化を実現する不揮発メモリーが求められている。

 本製品は「MB85RS1MT」に8ピンのウエハーレベル・チップサイズパッケージ(WL─CSP)で開発、従来の8ピン SOPパッケージ(SOP)と比べ、実装面積が約23%、厚さが約5分の1とSPI(シリアル・ペリフェラル・インターフェイス)としては小型サイズだ。

 ウエアラブルデバイスには、補聴器や心拍計、消費カロリーや走行データを記録するため、リアルタイムの連続記録が必要となる。

 同社のFRAMは、EEPROMやフラッシュメモリーなど汎用不揮発性メモリーにより、大幅に上回る書き換え回数(10兆回)を保証しており、データの記録に最適だ。

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従来のSOPとWL−CSPの比較
 また、これまでの業界標準のSOPと比較して、サイズは3.09×2.28×0.33ミリメートルの小型化を実現した。実装面積比較では約23%に相当し、約77%の削減が可能となった。
 さらに、小型パッケージはクレジットカードの約半分となる0.33ミリメートルの薄さも実現。実装体積比で、約95%を削減することができた。

 一方、同じ不揮発性メモリーの汎用EEPROMに比較してデータの書込み時間が短いため、書き込み時の消費電力量を大幅に減らすことができた。データの記録が頻繁に発生するウエアラブルデバイスにこの製品を搭載することで低消費電力化を達成。バッテリの寿命延長、小型化が可能になった。

 同社は、今後もアプリケーションの価値と利便性の向上のために、最適なプロダクトとソリューションを提供していく。

 〈注〉強誘電体膜をデータ保持のキャパシタに利用したメモリー。電源を切っても内容を保持する。同社が99年から量産を開始した。