LED関連部品・材料
LED照明など高性能・高機能化や長寿命化を追求
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「LED照明用部品」
 発光ダイオード(LED)を使用したLED照明は、低消費電力・長寿命などを特徴とする環境に優しい照明として普及が進んでいる。LED照明の種類は、LED電球やダウンライト、シーリングライト、LEDスタンドをはじめ、デジタルサイネージ関連、信号機、自動車ヘッドライト、街路灯、鉄道車両用など多岐にわたる。

 ノートPCや液晶テレビでは、バックライト光源が従来のCCFL(冷陰極管)からLEDへの切り替えが急速に進んでいる。ノートPCではLEDバックライト搭載率がほぼ100%に達し、タブレット端末でも有機ELパネル搭載機種を除き、搭載率がほぼ100%に達している。

 バックライトのLED化が進む背景には、低消費電力、水銀レスによる環境貢献、薄型化に有利、量産効果によるコスト改善コストなどがある。このため、回路部品やコネクタ、プリント基板、メーカーなどでは、LED関連機器向けに、既存部品のカスタマイズに加え、LED用の専用部品開発に注力している。

 コネクタでは、産業用途向けLED照明用に「COB(チップ・オン・ボード)―LEDソケット」の開発に乗り出す企業が増加。独自構造による優れた放熱性や信頼性、良好な作業性などが提案されている。

 最近は、次世代LED関連機器向けに、高輝度LED用耐熱部品や、LEDの長寿命化、ノイズ対策、耐光性向上などを実現する新製品開発が活発。コスト力強化を意識した部品設計や製造プロセス開発にも力が注がれる。

「テレビ用LEDバックライト用材料」
3―4年ほど前のモデルのLEDテレビでは、LEDバックライトに600個程度のLEDパッケージが使用されていた。だが、テレビの低価格化に対応するため、バックライト1台あたりのLEDパッケージ数の削減が進み、現在は80個程度とされる。

一方で、画面輝度の維持は必須のため、現在のテレビでは個々のLEDパッケージの高出力化が進展。その結果、LEDバックライト用反射板への耐熱性や耐光性要求は年々高まり、今後もそうした傾向の継続が予想される。

このため、樹脂材料メーカーでは、次世代テレビ用に、従来比で耐熱・耐光性を大幅に高めた反射板材料開発を強化。高温環境での長期使用でも黄変が起きにくい新素材開発などに力を注いでいる。

LEDパッケージ数削減のため、最近のテレビ用LEDバックライトは、従来の直下型からエッジライト式へのシフトが進んでいるが、エッジライト式は画面輝度の均一化のため反射ムラを抑える必要がある。大画面になるほど側面からのLED照明を効率良く全面に光を広げる性能が求められる。材料メーカーでは、これらのニーズに対応した反射板材料開発にしのぎを削っている。

「自動車用LEDヘッドライト」
自動車のヘッドライト用光源は、現在はハロゲンランプやHID(高輝度放電)ランプが主流だが、低消費電力化のため、徐々にLED化が進むことが見込まれている。車載LEDヘッドライトは、トヨタ自動車が07年に発売した「レクサスLS600h」で初めて実用化され、その後、高級車を中心に徐々に搭載車種が拡大。現状での国内の新車に占めるLEDヘッドランプ搭載比率は数%とみられるが、数年後には20―30%程度に高まることが予想されている。

LEDヘッドランプのメリットは、優れた低消費電力性能や、発熱が少なく長寿命、小型化が容易―などがある。最近は輝度の点でも大きく性能が向上している。LEDヘッドランプは製造コストが高いため、高級車以外への搭載が遅れ気味だったが、最近は、照明技術やデバイス技術の高度化により、輝度を落とすことなく、低コスト化や薄型軽量化などを実現した製品開発が進んでいる。
燃費改善による1充電あたりの航続距離向上が必須の電気自動車(EV)などでは、自動車照明の省電力化が特に重要。このため、最近は日産自動車の「リーフ」など、LEDヘッドライトを全車に標準搭載するEV車種もでてきている。

「LED技術応用分野」
LEDの応用分野は、インクの光硬化技術によるLEDプリンタや、LED照明を活用した植物の育成促進など、徐々に適応範囲が広がりつつあり、今後も新たなアプリケーションの拡大が予想される。環境に優しい照明技術の実現に向け、LEDの新規需要を促進する部品・デバイス技術の進化が期待されている。