USB OTG規格に準拠

沖電気(株)
 
沖電気はPCを介さずUSBシステムが構築可能なUSB Ver1.1に準拠した汎用ホストプラスデバイスコントローラーLSI「ML60841」を開発、サンプル出荷を開始した。
 量産出荷開始は今年7月、生産は月産10万個を予定している。新製品は簡単な外付け回路と組み合わせることで、昨年12月に規定されたUSB OTG(OnTheGo)規格に準拠する。
 「USBを製品化したのは1999年。その後、一気に市場が立ち上がっている。USB OTGについてもその立ち上がりが、今年夏、クリスマス商戦だと予測している。とくに、既存のUSB製品との接続も可能なため、市場の大きな伸びが期待できる」(同社デザイン本部ロジックコア設計部海野雄策課長)。
 同社ではこれまで、USB製品がプリンターやシリコンオーディオ、DSC、PC周辺機器などさまざまな分野に搭載されている。
 新製品は、プリンターやセット・トップ・ボックス、デジタル・スチル・カメラ、デジタル・カメラへの搭載を見込んでいる。
 セット・トップ・ボックスは家庭内において、ホームサーバーの役割を果たし、今後PCの代わりとして位置付けられることが予想される。
 新製品はUSB Ver1.1に準拠したホスト機能とデバイス機能を1チップに内蔵している(図)。デバイスコントローラーとホストコントローラーを外部端子により、切り替え機能をサポートする。16ビット、32ビットのマイクロコントローラーに対応、FIFOは共通使用で4Kバイト。消費電流は100mA。
 ホストコントローラー部は、一般的にはソフトウエアで行ってきた、SOF(Start Of Frame)の定期発行やスケジュール管理をすべてハードウエア上で制御している。Microsoft Windows S―tandard Open HCDドライバーに準拠。また、OHCI(Open Host Controller Interface)に準拠したインターフェイスに対応しているため、容易にファームウエアを開発することが可能だ。USBポートはFullマイナスspeed(12Mbps)、Lowマイナスspeed(1.5Mbps)をサポートしている。
 デバイスコントローラー部はエンドポイント(FIFO)を5個か6個選択可能。USBポートはFullマイナスspeed(12Mbps)をサポートしている。
 ML60841は3.3V単一電源で、パッケージは120ピンBGA(9.0×9.0mm)と120ピンTQFPで供給される。


 USB OTGとは・・・USBインプリメンターズ・フォーラム(IF)が昨年12月18日に規定したUSB2.0の拡張仕様。この策定作業には、エリクソン、インテル、モトローラ、NEC、ノキア、パーム、クアルコム、TIなど24社が参加した。従来のUSB周辺機器にホスト機能を加えることで、PC(ホスト)を介することなく、デジタルカメラとプリンタマイナス、PDAとキーボードといったUSB機器同士でダイレクトな接続が可能となる。

図1
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品種ごとの耐ハンダクラック性の比較





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